概要
RoentDek社のTDC(Time-to-Digital Converter)は、CFDやコンパレーターから出力されるタイミング信号の到達時刻をデジタル値として記録します。DLD・HEX検出器の位置読み出し、TOF測定、コインシデンス測定などで、複数チャンネルの信号をイベントごとに取得できます。
DLDでは遅延線の両端の時間差から粒子の位置を求め、HEXでは3方向の信号を利用して近接イベントを再構成します。MCPタイミング信号も記録することで、到達時刻やTOFを解析できます。

特長
- 高精度な時間計測
ピコ秒レベルのビンサイズにより、DLD・HEX検出器の高い時間性能を活かした測定が可能です。 - マルチヒット対応
同一チャンネルに連続して入力される複数パルスを記録し、複数粒子や複数光子によるイベントを解析できます。 - 多チャンネル同時計測
複数の遅延線信号、MCPタイミング信号、外部トリガー信号を同時に記録できます。 - 長時間レンジ
短いTime-of-Flight測定だけでなく、長い時間範囲を必要とする測定や連続タイムスタンプ取得にも対応します。 - 高いデータスループット
PCI Expressによる高速データ転送に対応し、高イベントレート測定に適しています。 - 柔軟なトリガー設定
コモンスタート、コモンストップ、トリガーウィンドウ、フリーランニングなど、測定に合わせた構成が可能です。
ラインナップ
TDC8HQ
高精度・高イベントレート測定に対応する8チャンネルTDCです。
DLD、HEX、コインシデンス測定、運動量イメージングなど、複数のチャンネルを必要とする高度な計測システムに適しています。
特長
- 8チャンネル
- 13 psビンサイズ
- 約5 nsのダブルパルス分解能
- 無制限マルチヒット
- 高い総読み出しレート
- PCI Express接続
- 複数ボードの同期に対応
- 補助ADC入力に対応


TDC4HM
4チャンネルのコモンスタート型マルチストップTDCです。
チャンネル数を抑えたTime-of-Flight測定や、比較的シンプルなDLD読み出しシステムに適しています。
特長
- 4ストップチャンネル
- 13 psビンサイズ
- コモンスタート測定
- マルチストップ対応
- 長い計測レンジ
- 高精度Time-of-Flight測定向け


cTDCx
コンパレーター機能を内蔵したコンパクトな多チャンネルTDCです。
外部CFDを使用する標準構成に加え、BFAMPで増幅・整形した信号を直接入力するシステムにも対応します。
特長
- 10チャンネル
- 内蔵コンパレーター
- マルチヒット対応
- 連続タイムスタンプ取得
- DLD・HEX読み出しに対応
- フロントエンド構成を簡素化可能

用途
- TOF質量分析・TOF-SIMSの時間計測
- DLD・HEXを用いた位置読み出しとTOF測定
- TOF-PEEM、電子分光におけるイベント時刻の記録
- マルチフラグメントイメージング、コインシデンス測定
- ビームプロファイル測定やトリガーとの同期記録
導入メリット
- 高精度な位置・時間計測が可能
- 大量のタイミングイベントを効率的に記録できる
- DLD・HEX検出器のマルチヒット性能を活用できる
- TOF、コインシデンス、運動量イメージングに対応できる
- 測定条件に合わせて複数のTDC方式から選択できる
TDC 製品比較
| チャンネル構成 | 特長 | 推奨用途 | |
|---|---|---|---|
| TDC8HQ | 8チャンネル | 高精度、高レート、無制限マルチヒット | DLD、HEX、高度な同時計測 |
| TDC4HM | 4ストップ | コモンスタート型、高精度TOF | TOF、標準DLD、少チャンネル測定 |
| cTDCx | 10チャンネル | コンパレーター内蔵、コンパクト | DLD、HEX、簡素化した読み出し |
