光弾性変調器 PEM
超高感度、高精度偏光測定に必須の高精度、高感度偏光変調素子

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光弾性変調器 PEM 光弾性変調器 PEM

製品概要

光弾性変調器(Photoelastic Modulator : PEM)は、光の偏光状態を固定された周波数で変調できるユニークな偏光制御素子です。 HINDS Instruments社独自の技術で圧電素子を高速に駆動し、合成石英などの光学素子に応力を加えて意図的に応力複屈折を発生させ、透過光の偏光状態を変調します。 真空紫外光から中赤外光領域まで幅広い波長域に対応し、複屈折測定などのポラリメトリー、エリプソメトリー、MOKE(磁気光学カー効果)、光チョッパーなど様々なアプリケーションに使用できます。

光弾性変調器とは

一般的な偏光測定では偏光子と波長板が広く利用されていますが、光弾性変調器(Photoelastic Modulator : PEM)も、極微弱な偏光特性の変化を測定する偏光制御デバイスとして採用されています。PEMは周期的に変化する複屈折によって入射偏光を変調する素子で、光学ヘッドと駆動用ドライバー、コントローラー(PEM-100)で構成されています。光学ヘッドには合成石英など透明な等方性光学材料とピエゾアクチュエーターが取り付けられており、ピエゾアクチュエーターを共振周波数 で伸縮させて光学材料に周期的に応力を加え、 数十kHzで変化する複屈折が発生します。複屈折の大きさはコントローラーで制御し、任意波長においてλ/2波長板やλ/4波長板として機能させることができます。 位相変調法は光学素子を回転する機械駆動を必要とせず、安定した測定を実現でき、また、PEMの共振周波数は数十kHzと高く、短時間測定や、ロックインアンプを用いた高分解能測定ができるため、一般的な偏光測定では検出困難な微弱な偏光変化の検出も可能になります。

PEM説明図

PEMの動作原理

広波長範囲、大きな有効径

PEMは用いられている光学材質の種類によって、130nm~THzオーダーの広い波長範囲で使用可能です。また、有効径(*)が大きく、最大で56mmに対応します。例えば、最も標準的な光学ヘッドI/FS50の場合、光学材質は合成石英で、λ/2駆動する場合に波長170nm~1μmで使用可能です。
(*)有効径は、変調効率90%以上の範囲になります。

温度制御機能付PEM

PEM-ATCの安定性

PEMを使った偏光測定は非常に高感度であるため、環境温度変化によるわずかなPEMの振幅フラツキが測定結果に影響することがあります。PEM-ATC™は、光学ヘッド内部にヒーターを内蔵することで環境温度変化の影響がごく小さくなり、長時間測定安定性が大幅に向上します。なお、温度を一定に保つために有効径が3mmに制限されます。

(右図)標準PEM(青線)とPEM-ATC™(赤線)の安定性比較。
縦軸はAC/DC信号。温度制御機能によって、PEM-ATC™は長時間の安定性に優れていることがわかります。

反射防止コーティングなどのオプション

透過率改善、干渉縞の抑制に効果のある反射防止コーティングや、強磁場対応、ケーブルの延長、真空チャンバー対応などのオプションもあります。カスタム対応可能です。
2台のPEMを組み込んだデュアルPEMシステムもあります。

測定に必要な各種装置

偏光測定をおこなうための様々なデバイスも取り扱っています。これら以外にも提案可能です。

検出器

●DET-200シリコンまたはゲルマニウム検出器
●APD-100アバランシェフォトダイオード検出器
・対応波長範囲200~1600nm (検出器モデルによる)
・ゲイン設定、オフセット調整機能あり

Signaloc2100ロックインアンプ

●Signaloc2100 専用ロックインアンプ
・機能を最小限に抑えた低価格、コンパクトな専用2位相アナログロックインアンプ
・使用するPEMの周波数(1fおよび2f)、DC信号測定
・RS232C接続、DLLまたはLabVIEWによるソフトウェア開発可能

用途

  • 複屈折測定
  • ストークスパラメーター測定
  • ミュラー行列測定
  • UV~VIS~NIRの線および円二色性
  • 磁気円二色性
  • FTIRシグナル改善(VCD、VLD、IRRASなど)
  • エリプソメトリー
  • 蛍光の偏光解析
  • 光チョッパー など

光弾性変調器光学ヘッド仕様

型名 光学素子の材質 変調周波数 対応波長
〜λ/4
対応波長
〜λ/2
有効径
I/FS20 合成石英 20kHz 170nm〜2μm 170nm〜1μm 22mm
I/FS50 合成石英 50kHz 170nm〜2μm 170nm〜1μm 16mm
I/FS60 合成石英 60kHz 170nm〜2μm 170nm〜1μm 16mm
I/CF50 フッ化カルシウム 50kHz 130nm〜2μm 130nm〜1μm 16mm
II/FS20A 合成石英 20kHz 170nm〜2μm 170nm〜1μm 56mm
II/FS20B 合成石英 20kHz 1.6μm〜2.6μm 800nm〜2.5μm 56mm
II/FS42A 合成石英 42kHz 170nm〜2μm 170nm〜1μm 27mm
II/FS42B 合成石英 42kHz 1.6μm〜2.6μm 800nm〜2.5μm 27mm
II/FS47A 合成石英 47kHz 170nm〜2μm 170nm〜1μm 24mm
II/FS47B 合成石英 47kHz 1.6μm〜2.6μm 800nm〜2.5μm 24mm
II/FS84 合成石英 84kHz 800nm〜2.6μm 400nm〜2.5μm 13mm
II/IS42 合成石英 42kHz 1.6μm〜2.6μm 800nm〜3.5μm 27mm
II/IS84 合成石英 84kHz 800nm〜3.5μm 400nm〜1.8μm 13mm
II/CF57 フッ化カルシウム 57kHz 800nm〜8.5μm 400nm〜5.5μm 23mm
II/ZS37 セレン化亜鉛 37kHz 2μm〜18μm 1μm〜9μm 19mm
II/ZS50 セレン化亜鉛 50kHz 2μm〜18μm 1μm〜10μm 14mm

オプション

反射防止コーティング

透過率向上だけではなく、レーザー光使用時の干渉縞発生を抑えるためにも必要です。
カスタム対応可能です。

  • ARC-1, 632.8nm on I/FS50
  • ARC-2, 450-650nm on I/FS50
  • ARC-3, 3-12μm on II/ZS50
  • ARC-4, 3-12μm on II/ZS37
  • ARC-5, 8-12μm on II/ZS50
  • ARC-6, 8-12μm on II/ZS37
  • ARC-7, 633-1000nm on I/FS50
  • ARC-8, 800nm on I/FS50

干渉縞防止オプション

光学素子を平行平板ではなくウェッジ形状にすることで、レーザー光使用時の干渉縞の発生を抑えます。 反射防止コーティングと比較して、対応波長範囲が広く、検出器の位置が遠くなるほど効果が高くなります。 問題点は、わずかなビームずれが発生することや、光学素子の厚みが①によって若干異なる=リタデーションが異なるため、 ビーム入射位置を厳密に合わせる必要があります。

  • NIO-1, 標準オプション on I/FS50
  • NIO-2, カスタム仕様 on other Series I

その他オプション

  • 強磁場対応
  • 特注周波数
  • 特注ケーブル長
  • 真空チャンバー対応
  • 特別装置校正 (UV〜VIS)
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製品に関するご質問・ご相談

  • PEMヘッドとコントローラーは別々に購入できますか

    基本的には同時購入になります。出荷前にヘッドの種類やケーブルの長さに応じてコントローラーが校正するためです。
  • PEMを使った偏光測定はなぜ測定感度が高いのですか

    回転機構などの機械動作部がない、共振デバイスのため動作が安定している、変調周波数が50kHz程度と高く、信号処理時に外乱ノイズ等と切り分けることができるなどの理由が挙げられます。
  • 分光測定に使用できますか

    複屈折は分散をもっています。コントローラーに波長とリタデーションを入力して最適なリタデーションに設定します。
  • 環境温度等の影響は受けますか

    環境温度が急激に変わるとリタデーションがわずかに変化します。微小な変化ですが、PEMによる変調測定は微小信号変化を検出できるため、わずかな変化が問題になることがあります。対策として、温度管理されたPEM-ATCタイプを使用すると大幅に改善されます。標準のPEMの場合、ケース等でPEMをカバーするだけで安定性が増すことがあります。
  • 検出器選定で注意することはありますか

    数百kHz程度までの周波数応答性能が必要です。ただし、稀に仕様上は問題がなくともPEMを使用した測定に適していない検出器があります。HINDS社はPEMを使った偏光測定に適した検出器を用意しています。
  • ロックインアンプ選定の注意点はありますか

    測定内容によりますが、PEMの動作周波数の2倍よりも高い周波数に対応していなければなりません。また、DC信号も測定する必要があります。周波数1fと2fを同時に測定する場合、2台のロックインアンプが必要になります。周波数を切り換えて測定する場合は、1台のロックインアンプで測定できます。
  • Sinalocロックインアンプと汎用のロックインアンプの違いは何ですか

    Signalocは2位相アナログロックインアンプです。標準では測定する周波数が出荷時固定になり、2fまで測定できます。また、ACとDC信号が同時検出可能です。フロントパネルに測定値の表示機能はなく、ソフトウェア表示専用です。機能が絞られている分、小型で低価格です。
  • 装置の開発は可能ですか

    PEMコンロトーラー、SignalocともにRS232C接続で、ソフトウェア開発可能です。
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