フーリエ変換フォトルミネッセンス分光光度計 IR5 製品概要

IR5（Edinburgh Instruments社製）は、このクラスで唯一、フーリエ変換フォトルミネッセンス（FT-PL）に オプション対応可能な、高感度・卓上型分光光度計です。MIR領域の吸収測定とPL測定を兼ね備えた本装置は、 要求の厳しい研究用途にこれ1台で対応します。特に、ポリマー、半導体、医薬品サンプルなどの分析・研究用途に最適で、簡単な操作と迅速で正確な結果を提供します。専用ソフトウェア「Miracle™」上で赤外吸収、透過率、反射率、赤外フォトルミネッセンスのすべての測定が可能です。

波長分散型（回折格子分散型）PLと比較した際の利点

1. 多波長同時測定で測定時間を短縮
2. 波長スキャン分散型PL分光器比で1/100以下のスペクトル測定時間
3. 高スループット（スリットなし）
4. 高端数分解能

IRでは一般的に赤外光を波数として取り扱いますが、分散型分光器では波長単位でスペクトルを記録します。
そのため、得られるスペクトルが横軸（cm^-1）に対してリニアではなくなります。
（下記測定比較例参照、サンプル：エルビウムを含む固体試料）

高感度、高分解能

SNR≧20,000：1、分解能0.5 cm^-1＠8000 - 350 cm^-1

検出器セレクト追加可能

InSb、InGaAs、MCT（-A/-B/-C）、DLaTGS

アップグレードでFT-フォトルミネッセンス（PL）法に対応

FT-PL専用ホルダーとPL測定時の光路

外付けレーザーを専用サンプルホルダー上の試料へ集光させ、干渉計を通過したフォトルミネッセンスを収集します。PLは標準的なDLaTGS検出器で検出できますが、第2検出器を追加で高感度測定が可能です。

モダンでパワフル、直感的なIR5専用ソフトウェア

• “Miracle”は、使いやすさとスムーズなワークフローにこだわり設計された、IR5専用ソフトウェアです。
• 2つのユーザーモード : 標準ユーザーモード・アドバンスドユーザーモード （ルーチン分析から複雑なアプリケーションまで対応）
• 測定モード : T、Abs、反射率、Kubelka-Munk、フォトルミネッセンス測定法
• 解析ツール : ピークフィッティング、トレンド分析、アポダイゼーション選択、ベースライン減算、算術演算・CSV、TXTへのデータエクスポート
• スペクトルデータベースソフトウェアと互換性のあるファイル形式

湿度コントロール技術によりメンテナンスフリー

• 湿度調整システム内蔵（乾燥材の交換不要）
• 温湿度はハードまたはソフトウェア上で表示
• ソフトウェア上で簡単にパフォーマンスバリデーションが可能
• 波数の自動構成機能

IR5＋FT-PL（オプション）アクセサリ　　

• 標準サンプルホルダー : 50 mm×50 mmのスライドやフィルムに対応。市販の液体・気体用セルと互換性があります

• ATRホルダー : ダイヤモンド、ゲルマニウム、ZnSeなどの一回反射型または多重反射型ATR結晶。 ZnSe/ダイヤモンドのような重ね合わせ構造の指定も可能。（他社製のATRアクセサリにも対応）

• 温度調整ATRホルダー : 室温から100℃まで。フィルム、液体、粉体、バルクサンプルの測定に対応

• 液体サンプルホルダー : 従来のセルと比較して、再現性の高いパス長、迅速なサンプル交換が可能。（オイルなどの粘性サンプルに有効）

• PLサンプルホルダー : レーザー励起によるフォトルミネッセンス専用ホルダー

エルビウムを含む固体試料を980nmのCWレーザーで励起したIR5のFT-PL測定

• 光の強度が高い
• 高い分解能
• 短い測定時間： 4分（IR5） vs 30分（分散型PL）