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分光用高感度冷却CCD/EMCCD検出器 Newton 製品概要
EMCCDセンサー搭載の「Newton」。従来の高感度CCDチップに電子増倍機能を持たせ、1~1000倍ゲインで極微弱光を短時間で取り込む画期的なCCD検出器です。EMCCDとしては珍しい横長のセンサーの為、分光用途には最適です。高速高感度測定に効果的なEMモードと、低速高S/N測定に効果的なconventionalモードの使い分けで、短時間露光・長時間露光のどちらの測定にも使える高性能機です。 EMCCDタイプの他に高感度CCDタイプも取り揃えております。
電子増倍機能
EMCCDセンサーはチップ上で電子増倍することで信号強度を高める 画期的なCCDセンサーです。
最大1000倍まで信号強度を上げることで、ノイズに埋もれがちな 微弱光を短時間で測定します。
寿命の短い光を対象とする場合や高速で微弱光を取り込む場合に有効です。

フリンジ低減コーティングを施した背面照射型センサー
背面照射型センサー(BIセンサー)で近赤外光を測定すると、 センサー内のエタロン効果によってフリンジが発生し、分光スペクトルや イメージに縞模様が乗ってしまい、しばしば問題になります。 このBIセンサーでフリンジを低減する場合は、
・BVF
・BR-DD
・BEX2-DD
の3種類からお選びいただけます。
BR-DDとBEX2-DD型は800nm近辺に感度を増強したモデルかつ 高いフリンジ低減性能を有しています。 BVFセンサーは可視光の感度の高い従来のBVセンサーに フリンジ低減のコーティングを施しています。 BVFセンサーはBR-DD、BEX2-DDセンサーと比べて フリンジ低減性能は若干劣りますが、その分ノイズ源となる 暗電流が低く、また価格も安くなります。
特長
- EMCCDチップ搭載で1000倍ゲイン(DU970P、DU971P)
- 量子効率 95%以上 (BVセンサー、@550 nm)
- -100℃電子冷却(液体窒素、不要)
- 3MHz ADコンバーターを搭載
- 16 bit ダイナミックレンジ
- 近赤外でのフリンジ低減センサーあり(BR-DD、BEX2-DD、BVF)
- 外部トリガー入力/出力
- 各読み出し速度ごとにプリアンプゲインを設定可能
- 高速分光読み出しモードあり(Crop mode)
- 分光モード、イメージモード切替
- USB2.0接続でノートPCからの操作可能
主な用途
- ラマン、蛍光発光、天体等の極微弱光の分光計測
- ポンプ・プローブ1kHzの同期測定
- 寿命の短い微弱光測定(EMCCDが有効)
- 干渉縞測定
- ボーズ・アインシュタイン凝縮イメージング測定
- 単分子発光測定
- フォトンカウンティングレベルの微弱光測定など
用途にあわせた特注ソフトウェア
東京インスツルメンツではお客様の用途に最適なソフトウェアの開発をおこなっております。
下記は特注ソフトウェアの一例です。ご相談ください。
デュアルトラック分光ソフトウェア
Andor TechnologyのICCD検出器(iStar)とSOL Instrument社製デュアルトラック分光器を組み合わせて2波長同時LIBS、高分解能と広帯域の同時計測が可能。

PL測定ソフトウェア
Andor TechnologyのCCD検出器(Newton)とShamrock分光器をを組み合わせてPLマッピング計測。

分光放射強度測定ソフトウェア
Andor TechnologyのCCD検出器と分光器を組み合わせ光源評価。

Camera Windowsオプション対応
測定波長域により、CCD検出器の窓材を感度のあるものへ変更が可能です。
Camera Window Selector - Andor
技術情報・応用例
Andor TechnologyのWebサイトへリンク
・製品の技術情報や応用例が掲載されています。弊社Webサイトへリンク
・原理やご質問について「FAQ」をご参照ください。「関連資料」でスペックシートや技術試料もダウンロードできます。
分光用高感度冷却CCD/EMCCD検出器 Newton ラインナップ仕様
高性能分光用EMCCD仕様
モデル | DU970P | DU971P |
---|---|---|
CCDタイプ | EMCCD | |
素子サイズ | 16×16 μm | |
素子数 | 1600×200 | 1600×400 |
検出面積 | 25.6×3.2mm | 25.6×6.4mm |
ADコンバータ速度 | 3MHz / 1MHz / 0.05MHz | |
読出しノイズ (代表値) |
8.5e- (3MHz, Conventional mode) <1e- (EM mode) |
|
最低冷却温度 (代表値) |
-80℃(空冷) -100℃(水冷) |
|
暗電流 (e-/pixel/sec, 代表値) |
0.00007 (FI, UV) 0.0002 (BV, UVB) 0.0001 (BVF) |
|
ダイナミックレンジ | 16bit | |
EMゲイン | 1~1000倍 | |
最大読出し速度(spectrum/sec) | 649 (Full Vertical Binning) 1515 (crop mode 20 rows) |
396 (Full Vertical Binning) 1515 (crop mode 20 rows) |
インターフェース | USB2.0 | |
センサータイプ | ||
FI | 〇 | 〇 |
UV | 〇 | - |
BV | - | 〇 |
BVF | 〇 | - |
UVB | 〇 | 〇 |
- 量子効率、暗電流はセンサータイプによって異なります。詳細は弊社へお問い合わせください。
高性能分光用CCD仕様
モデル | DU920P | DU920P-Bx-DD | DU940P |
---|---|---|---|
CCDタイプ | CCD | ||
素子サイズ | 26×26μm | 13.5×13.5μm | |
素子数 | 1024×255 | 1024×256 | 2048×512 |
検出面積 | 26.7×6.7mm | 27.6×6.9mm | |
ADコンバータ速度 | 3MHz / 1MHz / 0.05MHz | ||
読出しノイズ (代表値) |
20e- @3MHz (4e- @50kHz) |
15e- @3MHz (4e- @50kHz) |
11e- @3MHz (2.5e- @50kHz) |
最低冷却温度 (代表値) |
-80℃(空冷) -100℃(水冷) |
||
暗電流 (e-/pix/sec, 代表値) |
0.0002 (OE) 0.0003 (BU, BU2, BV/BVF, UVB) |
0.003 (Bx-DD) | 0.0003 (FI, UV) 0.0002 (BU, BU2, BV/BVF, UVB) |
ダイナミックレンジ | 16bit | ||
ゲイン | なし | ||
最大読出し速度(spectra/sec) | 273 (Full Vertical Binning) 1612 (crop mode 20 rows) |
272 (Full Vertical Binning) 1587 (crop mode 20 rows) |
122 (Full Vertical Binning) 943 (crop mode 20 rows) |
インターフェース | USB2.0 | ||
センサータイプ | |||
FI | - | - | 〇 |
UV | - | - | 〇 |
OE | 〇 | - | - |
BV | - | - | 〇 |
BVF | 〇 | - | - |
UVB | - | - | - |
BU | 〇 | - | 〇 |
BU2 | 〇 | - | 〇 |
BR-DD | - | 〇 | - |
BEX2-DD | - | 〇 | - |
- 量子効率、暗電流はセンサータイプによって異なります。詳細は弊社へお問い合わせください。
量子効率曲線(室温)

Newton EM

NewtonCCD
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
---|
製品に関するご質問・ご相談
-
Newton EMCCDとNewton CCDの違いは何ですか
EMCCDはセンサー上で電子増倍できるEMモードと、通常のCCDモードを切り換えて使用できます。また、画素数やセンサーサイズなどが異なります。 -
分光用CCD iDusとの違いは何ですか
EMCCD(DU970P、DU971P)の有無、3MHzの高速ADコンバーター、プリアンプゲイン、ビニングなどを細かく設定可能な点が大きく異なります。 -
イメージ用カメラとして使用できますか
横長のイメージになりますが可能です。 -
シャッターは必要ですか
通常の分光測定では特に必要はありません。マルチトラック分光、イメージ測定では、読み出し中の露光を防ぐためにシャッターが必要な場合が多いです。 -
クロップモードで気をつけることはありますか
クロップモードは、センサーの下部にのみ光が当たるようにします。クロップした範囲外に光が当たっていると正確な測定ができません。 -
EMCCDのEMモードとConventional(通常CCD)モードの使い分けばどうすればよいですか
ラマン散乱等の微弱光を数百Hz以上で分光する場合、高速なADコンバーターを使うため読み出しノイズが多く、短露光時間のため微弱信号になり、結果として信号が読み出しノイズに埋もれてしまいます。EMCCDは信号を最大1000倍まで増幅することで、高速なADコンバーターによるノイズに埋もれずに微弱信号を検出できます。一方、長時間露光が可能なアプリケーションでは、読み出しノイズの小さなADコンバーターが使用できるため、通常のConventionalモードを選択します。 -
冷却用のチラーは必要ですか。また、チラー選定の注意点はありますか
一般的な微弱光測定用途ではあまり必要ありませんが、できる限り暗電流を抑えたい長時間露光測定を行う場合はチラーの使用を推奨しています。チラー使用時は冷却水温度が低すぎるとカメラ本体が結露してしまう可能性があります。おおよそ室温程度(20~25度)の水温を推奨しています。詳細はお問い合わせください。