製品概要
エネルギー物質の熱的、化学的安定性は安全な製造、保管、輸送、使⽤において重要な情報です。OZM Research社はあらゆるタイプのエネルギー物質に対して、その熱的及び科学的安定性を⾼精度に評価するための、幅広い試験装置を提供しています。品質管理試験、危険物の評価、または運⽤中の監視においても、OZM Researchの装置は、最も信頼性が⾼く、⾼品質な熱安定性試験を実現します。
アプリケーション
従来のエネルギー物質の熱安定性評価⽅法は、試料を⾼温で加熱し、反応⽣分解性⽣物を検出することに基づいています。検出には、発⽣する有⾊ガスを⽬視で確認する⽅法(ヒートストレージ試験、100 °C)、指⽰薬紙の⾊の変化を利⽤する⽅法(アーベル試験、メチルバイオレット試験)、⽔抽出液の酸性度を分析して分解⽣成ガスの量を定量的に評価する⽅法(ベルクマン-ユンク試験)、または重量減少を測定する⽅法(ホランド試験)などがあります。また、STANAG 4117やAOP-48に準拠した加速試験は、推進薬の保存寿命を評価する⽬的でも使⽤されます(HBA加熱ブロック)。熱安定性評価⽤の各種試験装置は、温度制御機構と加熱ブロック(それぞれ4 〜 45個の適切なサイズの試料ホルダー⽳を装備)で構成されています。すべての装置には、専⽤のガラス試験管が付属します。
利点と特長
- ご要望に応じたカスタマイズヒーティングブロック
- ⾼精度で正確なヒーティングブロック温度
- 短い作業時間と実証済みの検査⼿順
- 温度制御⽤の独⽴したアラーム回路
標準試験条件
| モデル | 温度 | サンプル量 | 試験時間 | 観測パラメーター |
| BEJU | 120, 132 ℃ | 1 〜 5 g | 2 〜 5 h | NOx量 |
| ABT | 65 〜 68 ℃ | 1 g | 最⼤ 60 min | 指⽰紙の⾊変化 |
| MVT | 120, 134.5 ℃ | 2.5 g | 最⼤ 30 min | 指⽰紙の⾊変化 |
| CH 100 | 100 ℃ | 10 g | 最⼤ 7 d | NOx の発⽣ |
| HBA | 50 〜 90 ℃ | 20 g | 120 d | N/A |
| HT | 90 〜 110 ℃ | 4 g | 3 〜 7 d | 分解ガスの発⽣ |
ラインナップ
ベルクマンーユンク試験装置 BEJU

本装置はベルクマン−ユンク法に基づく熱安定性評価装置(120 ℃および132 ℃対応)です。
ニトロセルロース、無煙⽕薬、推進薬などの熱安定性を評価するために設計されています。本試験は、試料の熱分解中に発⽣するガス状⽣成物の定量測定に基づいています。試料は⽔を満たしたガラスアダプター内で加熱され、発⽣したガス状分解⽣成物が⽔に吸収されます。その後、⽔抽出液の酸性度を容量分析することで、ガスの⽣成量を評価します。
コンプライアンス
- MIL-DTL-244C
- STANAG 4178
- TL 1376-0589 and TL 1376-0600
- UK M28/89
100℃加熱保管試験装置 CH100

CH 100装置は、無煙⽕薬および推進薬の熱安定性を、⻑時間の等温加熱によって評価するために特別に設計されています。熱安定性は、⾚い煙(分解ガス、すなわち窒素酸化物)の発⽣を⽬視で確認することにより評価されます。
⼈⼯劣化試験装置 HBA

爆薬サンプルの寿命中には発熱分解反応が進⾏し、その反応速度は温度に⽐例します。通常の条件下では分解速度は遅く、(推進薬や爆薬の寿命は通常、数年から数⼗年です)、そのため爆薬サンプルの寿命を予測する⽬的で、加速劣化試験が⾏われます。最も単純な加速劣化試験の⽅法は、⾼温(通常50°C 〜 90°C)での⻑時間保存です。試験期間中には、感度、安定性、化学組成、弾道特性や機械的特性の変化が評価されます。
コンプライアンス
- AOP 48
- STANAG 4117, 4527, 4541, 4620
Holland試験装置 HT

HT™(Holland Test または Dutch Weight Loss Test)装置は、等温加熱中のサンプルの質量減少を測定することにより、エネルギー物質の熱安定性を評価するための装置です。この質量減少は、固体サンプルが分解して気体⽣成物に変化することによって⽣じます。サンプルは3⽇以上の⻑期にわたり等温加熱され、その間、外部のはかりを⽤いてサンプルの重量が継続的に監視されます。
コンプライアンス
- TL 1376-0600
アーベル加熱試験装置 ABT / メチルバイオレット試験装置 MVT

ABT(アーベル加熱試験装置)および MVT(メチルバイオレット試験装置)は、アーベル試験およびメチルバイオレット試験の⼿法に従いニトロセルロース、ニトログリセリン、ニトログリコールなどの熱安定性を評価するために設計されています。これらの装置は推進薬の安定性評価にも適しています。これらの試験は、硝酸エステル類が分解して NO₂(亜硝酸ガス)を⽣成し、いわゆる「⾚煙」が発⽣するという現象に基づいています。分解⽣成物の存在は、ABTではヨウ化デンプン指⽰薬紙、MVTではメチルバイオレット指⽰薬紙の⾊の変化によって検出されます。試験結果は、予熱された加熱ブロックに試料を挿⼊してから、指⽰薬紙が変⾊するまでの時間として記録されます。
コンプライアンス : アーベル加熱試験装置 ABT
- AOP 7
- DEFSTAN 13-189/1
- MIL-DTL-244B
- STANAG 4178
コンプライアンス : メチルバイオレット試験装置 MVT
- MIL-DTL-244C
- MIL-STD-286C
- STANAG 4118
仕様
| アーベル加熱試験装置 ABT | |
|---|---|
| 最大温度 | 160 ℃ |
| 温度精度 | ± 0.2 ℃ |
| 標準サンプル重量 | 2 g |
| ヨウ化カリウムデンプン紙 | U.S. Military規格準拠 (3/8 × 1 inch) |
| メチルバイオレット試験装置 MVT | |
|---|---|
| 最大温度 | 160 ℃ |
| 温度精度 | ± 0.1 ℃ |
| 標準サンプル重量 | 2.5 g |
| メチルバイオレット紙 | 2 × 7 cm |
| 100℃加熱保管試験装置 CH100 | |
|---|---|
| 最大温度 | 160 ℃ |
| 温度精度 | ± 0.1 ℃ |
| 標準サンプル重量 | 10 g |
| ⼈⼯劣化試験装置 HBA | |
|---|---|
| 最大温度 | 160 ℃ |
| 温度精度 | ± 0.1 ℃ |
| 標準サンプル重量 | 5 g |
| 更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
|---|
