高感度蛍光分光光度計 FS5 v2
蛍光プローブ開発、創薬、蛍光材料開発の必須アイテム
超微弱発光からピコ秒・蛍光寿命測定まで1台でこなす

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高感度蛍光分光光度計 FS5 v2 高感度蛍光分光光度計 FS5 v2

製品概要

FS5 v2 Spectrofluorometer 紹介動画

「⾼感度蛍光分光光度計 FS5シリーズ」(Edinburgh Instruments 社)は、 卓上型業界で世界最⾼の感度、⾼分解能と測定スピード、さらにピコ秒蛍光寿命 測定(TCSPC)までこなす、蛍光・燐光サンプルの特性評価に特化した唯⼀無⼆ の⾼性能・蛍光分光光度計です。
FS5は2013年に発売されて以来、FS5シリーズは蛍光研究において信頼されるソリューションとなり、世界中の数千の科学論⽂に貢献してきました。

FS5の最新進化版であるFS5 v2は、現代のニーズに応えるために、性能の向上と機能の拡張が施されています。

本装置は、スペースを広げることなく、複数の光源および検出器構成を柔軟に適応させることができます。
FS5 v2は標準で、可視光範囲の蛍光スペクトル⽤フォトンカウントPMT検出器と吸収検出器を搭載しており、最⼤2050 nmまでの近⾚外(NIR)測定、時間分解蛍光または燐光、量⼦収率(PLQY)、および偏光測定へのアップグレードが簡単に可能です。

なお、アプリケーションノートはコチラよりご確認いただけます。

特長

  • 蛍光 / 燐光スペクトル測定
  • ピコ秒蛍光寿命測定 / 燐光寿命測定
    15 ps ~ 10 μs(TCSPC)、5 μs ~ 10 s(MCS)
  • 超高感度 単一光子計測(SPC)
  • 低ノイズ・高感度
    水のラマン:SNR 12,000:1
  • ワイドレンジ検出波長:230 ~ 2050 nm
  • 光源スペクトル補正
  • 透過吸収スペクトル測定
  • 溶液・基板・粉体など多様なサンプルホルダーを搭載可能
  • 一体型構造による高耐久性
  • USBケーブル1本で全制御

用途

  • 蛍光材料の特性評価
    発光スペクトル(波長、強度)、蛍光量子収率、寿命測定などを高精度に測定
  • 太陽電池・LED材料の開発
    効率や耐久性向上を目指した新規蛍光体、光電変換材料の性能解析
  • バイオ・医療分野の分析
    タンパク質、DNA、細胞内の微量成分の検出・定量
  • 環境モニタリング
    水質検査や大気中の微量有害物質の検出(蛍光を用いたトレーサー測定など)
  • 化学・材料科学研究
    化学反応のメカニズム解明、分子間相互作用の解析、ナノ材料の特性評価

ソフトウェア Fluoracle®

FS5 Spectrofluorometer標準添付のソフトウェア Fluoracle®は、一般的な発光スペクトル測定からTCSPCによるピコ秒蛍光寿命測定、積分球による発光量子収率といった高度な測定にまで対応します。分かりやすいユーザ・インターフェイスが用意されており、誰でも測定から解析までスムーズに行うことができます。
さらに、「FAST(Fluorescence Analysis Software Technology)ソフトウェア」へのアップグレードにすることによって、より高度なDecay Kineticsなどの解析が可能になります。

測定例|FS5シリーズ

発光スペクトルの温度依存性

ローダミンBは、他のローダミン誘導体よりも柔軟な分子構造を持ち、温度変化に対して発光スペクトルが敏感に変化します。
ここではペルチェ素子を搭載したサンプルモジュール"SC-25"を使用して測定しています。

発光スペクトル図

測定条件:
ローダミンB
OD = 0.1@525nm
スペクトルバンド幅:2.5nm
積算時間:0.1秒
温度精度:0.5℃
温度安定時間:10分

励起スペクトルのpH依存性

蛍光の励起スペクトルは、光吸収スペクトルとは違い、発光に関する情報のみが得られます。正確な励起スペクトルを測定するためには、サンプルの濃度を十分に低くし、励起光の試料表面近傍での吸収(自己吸収)の影響を最小にする必要がありますが、一方で発光強度が非常に弱く、測定には高い検出感度が必須となります。

励起スペクトルのpH依存性図

測定条件:
フルオレセイン溶液、pH2~7
スペクトル分解能:1.5nm
積算時間:0.1秒

pH = 2で大きなブルーシフトが、 pH = 7では発光強度が最大になる。

シンクロナス・スペクトルスキャン測定

シンクロナス・スペクトルスキャン測定は、励起及び発光の両方のモノクロメータを、一定波長ずらした状態(オフセット値0〜20nm)を維持しながら、両方のモノクロメータを同時にスキャンして測定します。この方法は、主に吸収波長と発光波長に重なりを持つ、希薄混合液の成分分析などで使用されます。
シンクロナス・スペクトルスキャンのオフセット値を0 nmに設定した場合、粉末の透過/反射/吸収スペクトルの測定(積分球使用)が可能です。

測定条件:YAG:Ce粉末(BaSO4で希釈)の濃度を100%から20%まで変化。
シンクロナス・スペクトルスキャンのデータ(右図)から吸光スペクトル(左図)を計算。

シンクロナス・スペクトルスキャンのデータ(右図)から吸光スペクトル(左図)

キネティックス測定 - 発光強度、吸収の時間変化 -

発光強度の経時変化を記録します。同時に、サンプル透過光の変化から吸収の変化も観測します。化学的、生物学的に不安定なサンプルや、変化が微小なサンプルの観測に適した測定モードです。

発光強度、吸収スペクトル測定および時間変化測定(キネティックス測定)

測定条件: カスパーゼアッセイの、酵素100%添加(青色)および酵素0%(赤色)の蛍光強度の時間経過を観測。

励起–発光マップ(EEM)測定

EEM測定は、混合物が持つ固有のスペクトルマップパターン(指紋パターン)を測定します。励起波長を少しずつ変化させながら、各励起波長の発光スペクトルを測定し、スペクトルマップとして表現します。
なお、広い波長範囲のEMM測定の場合は、高次回折光を内蔵フィルタで除去できる場合に限られます。

励起–発光マップ(EEM)測定データ

バッチ測定

バッチ測定は、サンプルに対して複数の測定を設定し、自動測定が行える機能です。
励起スペクトル、発光スペクトル、シンクロナススキャン、励起-発光マップ(EEM)、またはシンクロナスマップを組み合わせた測定が可能です。
また、任意の回数を繰り返して測定を行うループ設定、各測定の間に間隔を空けるディレイ測定も行えます。バッチ測定条件の設定は、保存および読み出しが可能です。

シンクロナス・スペクトルスキャンのデータ(右図)から吸光スペクトル(左図)

絶対発光量子収率の測定

絶対発光量子収率測定は、オプションの積分球を使用します。試料が無い状態での吸収・発光スペクトルをリファレンスとし、サンプルの吸収・発光スペクトルの積分値から、量子収率の絶対値を求めます。
量子収率の計算は、ソフトウェアのウィザードを使用して、簡単に行うことができます。

絶対発光量子収率図

測定条件:過塩素酸中の、二硫酸ビスマスの絶対量子収率。
赤線は、散乱された励起光(励起波長350nm)と、発光スペクトル。
青線は、ブランクの散乱スペクトルを示しています(強度を100倍にして表示)。

色度および色座標測定

照明器具の生産現場では、蛍光材料の色座標を正確に決める必要があります。 FS5添付のソフトウェアFluoracleは、CIE 1931およびCIE 1976による、色座標および光度値を計算するための色度分析ツールが用意されています。

色度および色座標測定図

青色、緑色、黄色および赤色の発光を有する、4つの市販粉末の測定結果を示しています。
CIE 1931、CIE 1976CIE 1931、CIE 1976CIE 1931、CIE 1976

プレートリーダー測定

市販の96wellの溶液用プレートリーダーを使用した、測定が可能です。溶液だけでなく、粉末試料をプレートリーダーに入れて、連続的に測定することが可能です。沢山のサンプルを評価する、似日の品質管理などでの使用も可能です。他のサンプルホルダーと同様に、時間分解測定を含む他のアップグレードオプションと互換性があります。

プレートリーダー測定

アップグレード・オプション

時間分解測定オプション(MCS / TCSPC)

FS5では、マルチチャンネルスケーリング(MCS)および時間相関単⼀光⼦計数(TCSPC)の両⽅式に対応したアップグレードが可能です。いずれの⽅式も、標準の⾼性能なスペクトル測定能⼒を維持したまま追加可能です。

FS5 – TCSPC  ps ~ 50 μsの高速蛍光寿命測定

MCS(マルチチャンネルスケーリング)測定

MCSオプションでは、標準のFS5機能に加え、1マイクロ秒以上の寿命を持つ試料の減衰測定が可能になります。(例:リン光やランタニドの発光寿命)

  • 測定対象:蛍光寿命が5 μs〜10秒以上の⻑い発光現象
  • 標準のキセノン連続光源とパルスキセノンランプとの切り替えはソフトウェア制御
  • 測定モードは⾃動で時間分解モードに切り替わります
  • 専⽤ソフトウェアにてデコンボリューションを含む減衰解析が可能
  • 装置の時間応答関数(IRF)は約2 μs

TCSPC(時間相関単⼀光⼦計数)測定

TCSPCオプションでは、ピコ秒からナノ秒、および50μs未満のマイクロ秒領域の蛍光寿命測定が可能です。

  • 使⽤可能な励起光源:ピコ秒パルス半導体レーザー、LED(EPL、EPLEDシリーズなど)
  • 光源はFS5-TCSPCの専⽤ポートに簡単に取り付け可能
  • すべてのサンプルホルダーに対応
  • 専⽤ソフトウェアによりデコンボリューションおよびフィッティング解析が可能
  • 標準PMTを⽤いた場合の時間応答関数(IRF):約800 ps
  • 100 psの蛍光寿命測定が可能(光源による)

⾼速測定対応オプション(TCSPC+ / TCSPC++)

より⾼精度な時間分解測定が必要な⽤途には、以下の拡張オプションをご⽤意しています。

  • TCSPC+:⾼速PMT検出器を追加。IRFは約25 ps(EPL使⽤時)
  • TCSPC++:ハイブリッド検出器を追加。IRFは約15 ps(EPL使⽤時)
⾼速測定対応オプション(TCSPC+ / TCSPC++)

FS5|近⾚外蛍光測定オプション 〜 2050 nm

FS5 では、近⾚外領域のスペクトル拡張に対応した複数のアップグレードオプションをご⽤意しています。第2検出器を搭載することで、標準波⻑域の性能を維持しながら、NIR領域までの測定レンジを広げることが可能です。

オプション⼀覧

  • PMT-UC
    最⼤1010 nmまでの波⻑に対応。
    感度最適化グレーティングと冷却型PMTを追加。
  • NIR-TE
    950 nm〜1400 nmまたは1650 nmに対応。
    TE(ペルチェ)冷却式のフォトンカウント型NIR PMTと専⽤グレーティングを搭載。
  • NIR-LN
    500 nm〜1400 nmまたは1650 nmまで対応。
    液体窒素冷却式のフォトンカウント型NIR PMTを採⽤し、より⾼感度な測定が可能。
  • NIRA
    最⼤1650 nmまたは2050 nmまでのスペクトルに対応したアナログNIR検出器と
    グレーティングを追加。
    ※定常状態測定専⽤
近⾚外蛍光測定オプション

FS5‒POL|偏光測定オプション

POL アップグレードでは、励起側および蛍光側の両⽅にコンピューター制御の偏光⼦(ポラライザー)を搭載し、完全⾃動化された偏光測定が可能となります。
専⽤ソフトウェア「Fluoracle」により、Gファクター補正済みを含む異⽅性(アニソトロピー)カーブの⾃動測定・⽣成をサポートします。
さらに、TCSPCオプションとの併⽤により、時間分解蛍光異⽅性測定および解析も可能になります。

MicroPL / 顕微鏡オプション

MicroPL アップグレードは、微⼩領域におけるスペクトル測定および時間分解フォトルミネッセンス(TRPL)測定を可能にする、FS5の拡張オプションです。
FS5に顕微鏡を追加することで、励起光(照射)および蛍光の検出を、広視野またはポイント照射モードで精密に調整できます。

主な特⻑

  • 顕微鏡構成:正⽴型または倒⽴型から選択可能
  • 検出⽤カメラ:可視域から近⾚外(最⼤1700 nm)までの波⻑範囲に対応
  • 励起光源の選択肢
    キセノンランプランプ(広視野励起)
    ピコ秒パルスダイオードレーザー(EPLシリーズ、HPLシリーズ)
    パルスLED(EPLEDシリーズ)
    スーパーコンティニウム光源
    Nd:YAGレーザー(ポイント照射)
  • 測定機能
    励起位置を選択しての定常状態の発光スペクトル測定
    時間分解蛍光寿命測定(TRPL)
    レーザー励起時のスポットサイズは約2 μm(対物レンズに依存)

オプション機能:FLIM(蛍光寿命イメージング)

FLIMアドオンを追加することで、XYZモーター制御ステージが使⽤可能になり、Fluoracleソフトウェア上で以下のような⾼度な画像解析機能が利⽤可能となります。

  • マップデータへの多成分減衰フィッティング
  • 時間分解画像の取得と解析
顕微鏡オプション

サンプルホルダーオプション

FS5 は、幅広いアプリケーションに対応可能な豊富な測定モジュールをご⽤意しています。
これらのモジュールは後から追加購⼊することができ、ユーザー⾃⾝でに簡単に取り付けが可能です。インストール後は、専⽤ソフトウェア「Fluoracle」が⾃動的にモジュールを認識し、煩雑な設定を必要とせず、スムーズな操作を実現します。

対応モジュール⼀覧(⼀部抜粋)

  • SC-05:標準セルホルダー
  • SC-06:2ポジションセルホルダー(吸収・蛍光測定の⾃動切替対応)
  • SC-10:固体試料ホルダー(縦置き/傾斜対応、外部ポジション制御)
  • SC-15:固体試料ホルダー(⽔平設置型)
  • SC-20:恒温セルホルダー(⽔循環バス接続型)
  • SC-24:TE冷却セルホルダー(-50℃〜+150℃、ソフトウェア制御)
  • SC-25:TE冷却セルホルダー(-35℃〜+105℃、ソフトウェア制御)
  • SC-26:TE冷却セルホルダー(-35℃〜+150℃、ソフトウェア制御)
  • SC-27:4 ポジションTE 冷却セルホルダー(-40℃〜+105℃、⾃動試料切替対応)
  • SC-28:粉体試料加熱ホルダー(最⼤300℃)
  • SC-30:積分球(絶対PLQY測定対応)
  • SC-41:マイクロプレートリーダー(最⼤384ウェル、スペクトル/寿命の⾃動測定対応)
  • SC-50:外部接続ファイバー光学系(液体ライトガイド、SMA、FC対応)
  • SC-70:液体窒素EPRデュワー
  • SC-80:液体窒素クライオスタット(ソフトウェア制御)
  • SC-90:クライオステージ(ソフトウェア制御)
対応モジュール

TCSPC関連カテゴリ製品一覧

●時間相関シングルフォトンカウンティングモジュール

●蛍光寿命イメージング測定システム

標準仕様

光学系 全反射
光源 150 W CW オゾンフリーキセノンアークランプ
(UV強化オゾン発生オプション有り)
モノクロメータ Czerny-Turner型
(平面グレーティング)
励起スペクトル範囲 230 nm ~ 1000 nm
発光スペクトル範囲 200 nm ~ 870 nm
フィルターホイール 励起と発光の両モノクロメータに搭載
(全自動)
バンドパス(励起/発光) 0 〜 30 nm(連続可変型)
波長分解能(励起/発光) ± 0.5 nm
波長スキャン速度(励起/発光) 100 nm/s
積算時間 1 ms ~ 200 s
検出器 冷却・光電子増倍管
測定範囲200 nm ~ 870nm
リファレンス光検出器 UV対応シリコンフォトダイオード
透過光検出器 UV対応シリコンフォトダイオード
水ラマン信号のS/N SNR SQRT > 12,000 : 1
寸法 104 cm (w) x 59 cm (d) x 32 cm (h)
重量 65 kg

アップグレード仕様

励起波長拡張 アップグレード UV+
励起波長範囲 200 nm ~ 1000 nm
検出器拡張 PMT-EXT
標準検出器の拡張
200 nm ~ 980 nm
PMT-UC
第2検出器
200 nm ~ 1010 nm
NIRA1650
第2検出器
870 nm ~ 1650 nm
※スペクトル測定のみ
NIRA2020
第2検出器
870 nm ~ 2050 nm
※スペクトル測定のみ
NIR1400-TE
第2検出器
950 nm ~ 1400 nm
NIR1700-TE
第2検出器
950 nm ~ 1650 nm
NIR1400-LN
第2検出器
500 nm ~ 1400 nm
NIR1700-LN
第2検出器
500 nm ~ 1650 nm
偏光/異方性 アップグレード POL
測定波長範囲 励起:220 nm ~ 900 nm
発光:240 nm ~ 2000 nm
燐光寿命 アップグレード MCS MCSL
寿命範囲* 5 μs ~ 10 s 50 ns ~ 10 s
蛍光寿命 アップグレード TCSPC TCSPC+ TCSCP++
寿命範囲* 90 ps ~ 10 μs 25 ps ~ 10 μs 15 ps ~ 10 μs

*光源に依存

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