環境制御型ケルビンプローブシステム(RHCシリーズ)
試料環境(温度・湿度・酸素濃度)を制御。in situで高感度に表面電位、仕事関数の変化を観測。

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環境制御型ケルビンプローブシステム(RHCシリーズ) 環境制御型ケルビンプローブシステム(RHCシリーズ)

製品概要

試料環境(温度・湿度・酸素濃度)を制御しながら、in situで金属などの表面電位・仕事関数変化を高感度にリアルタイムモニタリング。水吸着に伴う金属表面の電位変化や腐食防止コートの効果など、金属表面の腐食、改質の評価に最適なシステムです。
RHC20:相対湿度制御タイプ、温度制御(オプション)
RHC40 :相対湿度+雰囲気制御タイプ、温度制御(オプション)

KP Technology社について:
 KP Technology社は、2000年創業の会社で、走査型ケルビンプローブシステムや有機EL電子状態評価システムなどの、仕事関数測定装置の専業メーカーです。これまで、世界で300システム以上の装置を大学、研究所、民間企業に納入しています。
創業者でありCEOでもあるProf Iain D Baikieは、1980年代から表面分析のためのケルビンプローブシステムの開発に携わり、この分野の開発と応用で、30年以上の経験を有しています。

金属腐食メカニズムの分析には:
・環境制御 X線光電子分光装置 EnviroESCA

特長

  • 環境制御下でin situ測定
  • 相対湿度制御:25~80%
  • 酸素雰囲気制御:酸素 < 1% (RHC040)
  • オプション 加熱ステージ: 室温~100℃/室温~250℃

主な用途

  • 表面状態の高感度モニタリング(形状・吸着・改質・腐食)
  • 金属の浸食・腐食分析
  • 薄膜の腐食耐性評価 (塗膜下の腐食も検出可)
  • 有機/無機半導体材料の品質管理など

オプション

  • サンプルヒーター(室温~100℃/室温~250℃)
  • PYSシステム

環境制御型ケルビンプローブシステム(RHCシリーズ) 測定データ例

スチールの局部腐食

スチールの局部腐食の仕事関数イメージ

走査範囲: 4.5 x 4.5 mm、チップサイズ: 50 um、仕事関数の変化: 約400 meV
*3% NaCl水溶液に30分浸漬
*タタスチール様

仕事関数の算出

 ケルビンプローブシステムでは、試料とプローブチップ間の接触電位差(CPD)を計測します。この測定値は相対的な仕事関数のため、絶対的な仕事関数(WF)を得るには、金などの標準試料を利用して、以下の方法により算出します。

CPD(測定値) = WF試料 – WFチップ
WFチップ = WF標準試料 – CPD - (a)
WF試料  = WFチップ + CPD - (b)

**算出例**
WF標準試料 = 4.8 eVとして、標準試料を測定した時のCPDが+0.14 eVとすると、
(a)式より、
WFチップ = 4.8 eV – (+0.14) eV
WFチップ = 4.66 eV

*標準試料のWFは、文献値や別の手法で測定した絶対値を使用します。
次に、実際の試料を測定した時のCPDが-0.15 eVとすると、
(b)式より、
WF試料 = 4.66 eV + (-0.15) eV
WF試料 = 4.51 eV

KP Technology社CEO(Prof.Baikie)による製品紹介動画

1.走査型ケルビンプローブシステム

2.ケルビンプローブの原理

関連カテゴリ一覧リンク

●仕事関数・表面電位測定 製品一覧へ

●腐食分析 製品一覧へ

●金属腐食メカニズムの分析には:
・環境制御 X線光電子分光装置 EnviroESCA

環境制御型ケルビンプローブシステム(RHCシリーズ)仕様

型名 RHC010 RHC020 RHC030 RHC040
チップ材料/直径 ステンレス/2 mm
仕事関数分解能 < 3meV
走査領域(mm) 点測定 50x50 点測定 50x50
相対湿度制御(10~95%)
雰囲気制御(酸素 < 1%) - -
オプション 加熱ステージ(室温~100℃/250℃)
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製品に関するご質問・ご相談

  • 他の仕事関数測定手法であるUPS等と比較して、ケルビンプローブの特長は?

    大気中で簡便に測定可能な点です。粉体も測定できます。
  • 大気中ではなく、真空中で測定しないと仕事関数測定は意味がないのでは?

    アプリケーションによります。仕事関数は材料の最表面の状態に大きく依存するため、大気中で使用する材料に関しては大気中での測定データが有用です。
    なお、オプションの真空用ヘッドもあり、真空中の測定にも対応可能です。
  • 伝統的なケルビンプローブ法と、本装置で採用しているBaikie法 (Off-Null法)との違いとメリットは何ですか?

    伝統的な手法では、プローブからの信号がゼロになるようなバイアス電圧を求め、この電圧から仕事関数が得られます。一方Baikie法では、バイアス電圧を走査することによってバイアス電圧と信号電圧がバランスする電圧を得るため、電圧の小さな信号を測定する必要がなく、測定環境やノイズの影響を受けずにより素早く正確に仕事関数を測定することが出来ます。
  • SPMのオプションでケルビンプローブもありますが、違いは何ですか?

    大きな違いはステージの走査範囲です。SPMの走査範囲は100um程度ですが、本装置の標準走査範囲は50x50mmで、試料サイズと同スケールでのマッピングが可能です。
  • 空間分解能はどれくらいですか?

    プローブのチップサイズ径程度になります。標準チップは2 mm、オプションチップの最小サイズは50umです。ケルビンプローブの信号電圧の強さはチップサイズに依存するため、試料によっては小さいチップでは測定精度が低下する場合があります。
  • ケルビンプローブシステムで、試料のトポグラフィー像を取得することはできますか?

    できます。通常、マッピング中にチップと試料間の距離を一定に保っているため、その
    制御信号からトポグラフィー像を構築することができます。ただし、空間分解能はプローブのチップサイズに依存します。
  • ステージ付属の走査型モデルではなく、ステージが付属しない点測定のモデルはありますか?

    あります。
  • 点測定のモデルから、後日、ステージを追加して走査型モデルへアップグレードはできますか?

    できます。
  • ケルビンプローブシステムと有機EL電子状態評価システムの違いは何ですか?

    ケルビンプローブは仕事関数の相対値を求めるのに対し、有機EL電子状態評価システムは仕事関数の絶対値や、試料の状態密度を求めることが可能です。
  • ケルビンプローブシステムから、有機EL電子状態評価システムにアップグレードすることはできますか?

    できます。
  • どのような設置環境が必要ですか?

    丈夫な机か光学定盤の準備をお願いいたします。
    また、下記のような場所の近くには設置しないようにお願いいたします。
    ・高電圧源や機械的振動源。
    ・湿度が大きく変化する可能性のある、ドアやエアコン出口、窓。  
    ・ほこりっぽい場所。
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