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製品概要
SFG (和周波発生)分光は、二次非線形光学効果を利用した振動分光法です。 この分光法は、高い界面選択性をもつため、表面もしくは界面の単分子層の分子振動構造・配向の解析が可能です。表面(界面)に赤外光の波長を掃引して測定することで分子をスペクトルより特定し、偏光方向の組合せ(SSP/SPS/PPP)を変えて測定することで、分子配列を解析することが出来ます。 赤外光の波長範囲は 4300~625 cm-1 (2.3 μm~16 μm)、分解能は <3 cm-1です。 位相・強度を測定できるPhase-Sensitive (位相敏感)SFGモジュールやSFG顕微鏡モジュールもあります。
特長
- 表面・界面の分子振動を解析 (構造・配向)
- 各種界面の測定
固体-気体、固体-液体
液体-気体、液体-液体界面 - 非破壊、非接触測定
- 高感度検出:サブモノレイヤの計測
- 埋没界面を含む多様な界面、表面を計測可能
用途
- 接着・接合界面を計測分析
- 電極・触媒表面の界面反応
- 表面・界面の構造解析
- 大気中においての表面化学反応、表面ダイナミクス
- 電気化学、エピタキシャル成長などの研究
オプション
- Phase-Sensitive(位相敏感)SFG測定
- SFG顕微鏡
- 二重共鳴:波長可変可視レーザー光としてOPGを追加
- 高分解能オプション:スペクトル分解能 2 cm-1
- SHG分光
- サンプル用パージボックス
基本原理
和周波発生システムは、表面(界面)に波長を固定した可視域レーザー光(周波数ωvis)と波長可変赤外レーザー光(周波数ωIR)を照射し、その際に発生する和周波光(ωSFG=ωvis+ωIR)を計測します。和周波光は、赤外域レーザー光の振動数と計測表面の分子の振動数が一致するときに発生します。
- 接着・接合界面(埋没界面)を非破壊計測
- 電極・触媒表面の界面反応
- 表面・界面の構造解析
- 大気中においての表面化学反応、表面ダイナミクス
- 電気化学、エピタキシャル成長などの研究

ピコ秒SFG分光システム構成図
ピコ秒スキャニングSFGは、レーザー光源ユニット(PT501)と分光モジュールの2ユニットで構成されており、省スペースで高性能な設計を実現しています。
PT501は、和周波発生(SFG)測定に必要な可視光および赤外光の波長変換を担い、生成された光は分光モジュールに送られ、測定が行われます。

PT501 — 高性能ピコ秒OPA/DFG統合型レーザー

PT501は、ピコ秒OPA/DFGを統合した高性能レーザーシステムです。堅牢な一体構造により、設置が容易で、長期にわたる高い安定性と優れた保守性を実現しています。改良された設計により、従来モデルに比べてより低波数(長波長)領域へのアクセスが可能となり、和周波分光の測定範囲が更に広がりました。また、時間同期制御された高速モーターを搭載しており、わずか数秒で赤外波長域全体のスキャンが可能です。
SFG module内はカスタマイズ可能で、各種拡張機器や追加装置の組み込みに対応しています。これにより、測定環境の拡張が可能となり、より高度な測定が実現します。
スペクトルスキャン、偏光制御、レーザー強度調整などのすべての操作はPCからのリモート制御が可能で、柔軟かつ高精度な測定環境を提供します。

SFG測定モジュール
SFG測定オプション
Phase-Sensitive(位相敏感)SFG
位相敏感型SFG分光計では、従来のSFGでは失われてしまう和周波の位相を測定します。参照試料及び測定対象試料の和周波の干渉を測定する事により、位相情報を得ることができます。この位相情報を解析する事により試料の表面/界面における分子基の配向や傾斜角を一意に決定することが可能です。SFG分光モジュール内の光学系は、従来のSFGとPhase-Sensitive(位相敏感)SFGに切り替えられます。

アゾ化合物

位相敏感測定光学系セットアップ
気密加熱サンプルセル
SFG分光計専用に設計された気密構造の加熱サンプルセル(温度範囲:20〜70 °C)は、ガス雰囲気中および温度制御下での高精度な測定を実現します。

電動制御ステージ(マッピング測定)
試料ステージを電動制御することで、試料の高精度な位置合わせや測定ポイントの選択が可能となります。さらに、ステージ制御によって自動マッピング測定にも対応し、高空間分解能のデータ取得を実現します。
指紋のマッピング測定

SFG顕微鏡
ICCDカメラにより、マイクロメートルオーダーの空間分解能で表面のイメージ測定が可能になります。特定の波長におけるSFG信号の空間分布が測定できます。また、波長を掃引しながらイメージを取得することによりスペクトル測定が可能になります。

金サンプル 露光時間1秒 60回積算
二重共鳴オプション
二重共鳴SFG分光計では、赤外光および可視光の両方が波長可変で、より選択性の高い二次元分光測定が可能です。これにより振動モードと表面電子状態の結合を精密に解析できます。可視光には、420 ~ 680 nmの波長範囲を使用可能で、試料が従来の532 nmに強い吸収を示す場合にも対応可能です。二重共鳴測定には、2台のレーザーシステムPT501とPT401を使用し、両者は光学的に同期されています。この構成により、高い波長精度と安定性を両立しています。

Schematic layout of SFG double resonsnce spectrometer
SHG(二次高調波発生)分光オプション
SHG分光は表面プローブに最適な方法で、モノレイヤー吸収の測定が行えます。偏光解析を行うことで分子配列を測定し、表面対称性はサンプルを回転させることで測定できます。
ソフトウェアと測定例

レーザー、OPG/OPA/DFG、分光器、検出器はすべてコンピュータで制御します。ソフトウェアはLabVIEWにより作成しており、SFG分光測定およびSFG顕微イメージの測定が行えます。出力モニターにより可視レーザー、赤外レーザー、SFG信号の変動を表示できます。また、 OPG/OPA/DFGと分光器のキャリブレーションも行えます(オプション)。
測定例:水-空気 界面スペクトル

測定例:カプトンテープ/ガラス基板の埋もれた界面
SFG スペクトル:ポリイミド由来のピーク/ アクリル基由来のピーク

測定例:ペロブスカイト太陽電池
ペロブスカイト太陽電池の性能に関わる単分子膜の分子配向を可視化し、他の分光法では検出困難な界面の秩序性の違いを捉える事に成功しました。また興味深い事に界面の分子配向性とデバイス性能が反比例する事が明らかになりました。

参考文献[*]より画像を引用
[*] A. Magomedov, A. Al-Ashouri, E. Kasparavičius, S. Strazdaite, G.Niaura, M. Jošt, T. Malinauskas, S. Albrecht, V. Getautis : Self-Assembled Hole Transporting Monolayers for Highly Efficient Perovskite Solar Cells. Advanced Energy Materials. (2018) 1801892
仕様
型名 | SFG クラシック |
SFG二重共鳴 オプション |
SFG位相敏感 オプション |
---|---|---|---|
波長範囲 | 667 〜 4300 cm‑1 | 1000 〜 4300 cm‑1 (可視光 : 420 〜 680 nm) 625 〜 4300 cm-1 (可視光 : 532 nm) |
1000 〜 4300 cm‑1 |
波長分解能 | <3 cm‑1 | ||
スペクトル取得方式 | 赤外波長スキャン | ||
ビーム照射方向 | 可視光/赤外光:上側斜め方向、SFG光: 反射(他ジオメトリも可) | ||
入射ビーム ジオメトリー |
ノンコリニア | ||
入射ビーム角度 | 固定、可視光:約60°、赤外光:約55° | ||
可視光波長 | 532 nm | 532 nm及び 420 〜 680 nm |
532 nm |
偏光 (可視光/赤外光/和周波) |
直線(縦偏光/横偏光), ソフトウェアにて切替 |
||
赤外光スポットサイズ (サンプルにて) |
可変(200 〜 600 µm) | 固定 | |
感度 | 空気-水界面測定可 | 固体試料 | |
励起レーザー | |||
モデル名 | PT501 | ||
パルス幅 | 29 ± 5ps | ||
繰り返し周波数 | 100 Hz | ||
二重共鳴オプション 励起光源 |
– | PT401 | – |
システム寸法 | |||
典型値 | 1300 × 1200 mm | 3000 × 1500 mm | 1400 × 1200 mm |
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
---|