

卓上型Xバンド ESR(電子スピン共鳴分光器) 製品概要
ADANI社は新時代の卓上型Xバンド電磁スピン共鳴装置を製造している40年以上続くメーカーです。
最先端デジタル処理とマイクロ波技術を使用し「SPINSCAN X」が開発されました。
「SPINSCAN X」はコンパクトで高性能な電子スピン共鳴装置です。置き場所を選ばない小型サイズかつ軽量な筐体に電磁石を内蔵し、固体や液体中のフリーラジカルを検出します。
最大700mTの広い磁場走引が可能で、最小検出濃度は30nMの高感度測定を実現します。装置構成の拡張も可能です。半導体、石油、製薬、食品などの高度で複雑な産業用途にも対応します。
特長
- 最適化された磁場
- 素早く正確な測定
- 簡便なサンプル調製
- ルーチン測定に最適
- 省スペース
- 光照射ウィンドウ
- オートチューニング
ソフトウェア「e-Spinoza」
- 測定からから解析まで対応したソフトウェア
- 簡便に測定、解析
- 2D, 3D測定に対応(Magnet field vs MW power, temperature, angle)

別途オプション
- オートサンプラー
- フローシステム
- 自動温度制御システム(-170~+550℃)
アプリケーション
放射線量測定

X線やガンマ線などの電⼦線を照射した⾷品は放射線によって、貯蔵時間が⻑くなったり、殺菌・ 殺⾍効果が期待できます。また環境への悪影響となる、農薬などの代替⼿段として注⽬されています。
「SPINSCAN X」はそれらのX線やガンマ線が照射された⾷品の放射線量を検出できます。
上の図は⿃⾻に放射線を1または4kGy(グレイ)照射したときのEPRスペクトルの変化です。橙→緑→⾚の順に 放射線量が多く、ピーク強度が大きくなっています。
他にも線量測定には、オイルおよびガス中の成分分析, ビールの香味評価, アラニン線量測定があります。
化学分野

上図はエタノール中のコニフェリルアルデヒド添加時のDFPGラジカルのスペクトルです。コニフェリルアルデヒドはフェルラ酸の抗酸化作用や抗ラジカル活性または酵素活性反応のモデルとして利用されます。また、DFPGはラジカル捕捉剤の一つであり、ラジカル状態においても安定な化合物であることから、ラジカルの定量に利用されます。
この他にも、酸化還元反応, ラジカル反応の反応速度論, スピントラッピング, 有機⾦属錯体, ポリマーの触媒反応, ⽯油化学⼯業での測定が期待できます。
応用分野
物理化学分野
- 磁化率
- 磁気光学性
- 遷移金属
- 半導体または導電体の導電電子
- 格子欠陥
- 低温下での再結晶性
- ナノ構造
ライフサイエンス分野
- フリーラジカルと抗酸化作用
- 酵素反応
- 光合成
- 金属蛋白質
- 光照射によるラジカル発生
- 生体システムにおけるNO効果
研究分野
- 劣化反応
- ポリマー性質
- ダイヤモンドや光学ファイバーの欠陥
- 半導体中の欠陥および不純物
卓上型Xバンド ESR(電子スピン共鳴分光器) 仕様
周波数帯 | X-band |
マイクロ波強度 | 0.01~200 mW |
検出感度 | 8×109 spins/0.1 mT |
分解能 | 0.005 mT |
キャビティ | TE102 |
無負荷Q | 5000 |
磁場掃引範囲 | 10-4~0.65 T |
電力 | 400 W, 115/230 VAC |
サイズ、重量 | 47×38×26 cm/ 45 kg |
オプション
- オートサンプラー
- フローシステム
- 自動温度制御システム
- 低温測定用デュワー瓶
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
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