

S2050型 中赤外分光器 製品概要
中赤外分光法は気体の分析だけでなく、液体や固体の非破壊分析など、工業や研究分野で幅広く利用されている分光法です。NLIR社はフォトンアップコンバージョン技術を用いて、中赤外線を可視光に変換し、分光検出ができる装置を開発しました。従来は中赤外線を検出するためにMCTアレイ検出器などを用いていましたが、アップコンバージョンの技術により、可視光として分光検出(CCD)ができるようになりました。ノイズや測定速度において、以前の中赤外光検出よりも優れています。
特長
- 幅広い波長領域(2.0~5.0 μm / 2000~5000 cm-1)
- ミリ秒程度のスペクトル読み出し
- 調整不要、安定動作(稼働箇所なし)
- 分解能:6 cm-1
- 高感度検出:5 pW/nm
- 低ノイズ、高感度 -80 dBm/nm
- アップコンバージョン技術を利用
- U2050 波長コンバーター 中赤外を近赤外に変換
用途
- ブラックプラスチックの分別
- ガス濃度分析
- ポリマーの同定、帰属
- 中赤外スーパーコンティニューム光源の測定
- 赤外OCT, 広帯域IRコーティングの品質管理
- 石油化学分析
S2050型によるそれぞれのガス種の吸収スペクトル
NLIR社のS2050型分光器は中赤外域の広域に対応しており、「分子の指紋」と呼ばれる分子振動における赤外線吸収分光ができます。このような、それぞれのガス種の振動スペクトルを見られます。

メタンガスの吸収スペクトル
中赤外スーパーコンティニューム白色光源を用いたメタンガスの吸収スペクトルです。 50 cmのガスセルを通過したレーザー光を、60 msの露光時間で分光測定しています。(分解能は4 cm-1)

黒色樹脂の反射スペクトル
サンプルはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)の4種類です。近赤外分光ではこれらの違いは区別できませんが、中赤線光源とS2050分光器を用いれば、掲載データのように黒色樹脂をはっきりと区別することができます。

アプリケーションノート
オンラインモニタリング:プラスティック選別
文献:機械学習と高速赤外分光法を使用した混合プラスチック廃棄物の正確な特性評価
オンラインモニタリング:成膜(コーティング)プロセスモニタ
S2050型 中赤外分光器 仕様
型名 | S2050-400 | S2050-1k | S2050-130k |
---|---|---|---|
測定波長域 | >2.0 ~ 5.0 µm | ||
分解能 *1 | 6 cm-1 | 3 cm-1 | 2.5 cm-1 |
露光時間*2 | 10.8 μs ~ 1 s | 9 ~ 1 s | 1.3 ~ 654 μs |
最大読み出し速度 | 400 Hz | 1400 Hz | 130 kHz |
A/Dコンバータ | 16 bit | 12 bit | |
ダークノイズ,std. *3 | 11 counts | 60 counts | 1 counts |
最小検出出力 (@100ms) |
5 pW/nm | 75 pW/nm | 25 pW/nm |
入射コネクタ*4 | SMA905 | ||
入射偏光 | 垂直 | ||
最大使用温度 | 30℃ | ||
寸法(H×L×W) | 100×306×200 mm | ||
重量 | 5 kg |
*1. 100 μmコア径ファイバー使用時です。
*2. S2050-130Kでスペクトルをスタックさせることで、実行露光時間を長くすることが可能です。
*3. 最小露光時間のとき。
*4. 空間入射仕様も対応可能。
型名 | U2050 波長コンバーター |
---|---|
入射波長 | 2.0 ~ 5.0 µm |
出力波長 | 694.5 nm ~ 877.3 nm |
入射コネクタ | SMA905 |
出射コネクタ | FC/PC |
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
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