サンプルの詳細な偏光特性を解析
分光ポラリメーターPoxi-spectra™に光学ヘッドや光源、専用ソフトウェアを追加することで、ミュラー行列の波長依存性を測定できるようになるオプションです。ミュラー行列とは試料が持つ偏光特性(複屈折、旋光性、線二色性、円二色性、偏光解消)を含んだ4×4の行列であり、これら偏光特性を持つサンプルを解析することができます。また、ミュラー行列を測定することで、入射偏光がどのように変化するかが計算で求められるようになります。
なお、 本装置はストークスポラリメーターがベースになっており、試料透過光や反射光などの偏光測定(ストークスベクトル測定)もできます。 さらに、高次複屈折測定に対応する複屈折測定オプションも追加できます。可視光範囲以外の測定は別途お問合せください。
測定例
構造性複屈折
フェムト秒レーザ―加工による構造性複屈折の測定結果。波長560nm付近でλ/2波長板として機能することがわかります。また、複屈折だけではなく、直線偏光の吸収を表す線二色性(LB)もわずかながら認められます。このような複屈折試料を一般的な複屈折測定装置で測定すると、線二色性が複屈折の測定誤差となってしまい、正しく測定ができない場合があります。
ゼロオーダー水晶波長板
水晶製のゼロオーダー波長板は、通常マルチオーダー波長板を2枚直交した状態で接着した構造になっています。精度の悪い波長板は、図のように複屈折の主軸方位が一定ではなくなり、さらに旋光性も現れます。
エッジフィルター透過光 (20度傾斜)
エッジフィルターに対して斜めに光を入射すると、その透過光の偏光状態は大きく変化します。図は測定したミュラー行列の結果で、波長ごとに特性が変化しています。ここから、各種偏光特性に分離解析できます。
マッピング測定オプション
自動XYステージを追加することで、ミュラー行列のマッピング測定も可能です。 (応相談)
主な用途
- 液晶ディスプレイ、プロジェクター用偏光デバイスの評価
- 波長板に含まれる複屈折以外の偏光特性の評価
- 様々な偏光測定が測定できる汎用計測器としての利用
- 偏光光学系が持つ偏光特性の評価
- ミュラー行列解析を使った構造解析
分光ポラリメーターPoxi-spectra ミュラー行列オプション仕様
特長 | Poxi-spectraシステムで分光ミュラー行列測定が可能 |
測定項目 | ミュラー行列の16要素 直線複屈折・円複屈折、直線2色性、円2色性、偏光解消を算出 |
最短測定時間 | 40秒 (露光時間・アベレージ回数に依存) |
測定誤差(目標) | 0.01 (ミュラー行列パラメーター) |
測定精度(目標) | 0.01以下 (ミュラー行列パラメーター) |
装置構成 | ハロゲンランプ光源 入射側光学ヘッド ミュラー行列測定・計算ソフトウェア |
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
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製品に関するご質問・ご相談
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必要な構成部品は何ですか
分光ポラリメーターの基本セットと、複屈折オプション (追加ハードウェアとソフトウェア)が必要です。 -
後からミュラー行列オプションを追加できますか
可能です。一度弊社まで分光ポラリメーターを返却頂き、必要な機能を追加した上で納品します。 -
どのような測定原理を採用していますか
4種類の偏光をサンプルに入射し、それぞれの透過光のストークスベクトルを元にミュラー行列を算出します。また、各種偏光特性に分離し、解析結果を表示できます。 -
測定精度はどの程度ですか
ミュラー行列の各要素で0.01程度です。
なお、二色性などの吸収の強いサンプルでは測定精度、繰り返し精度が低下します。 -
複屈折測定オプションと併用可能ですか
可能です。 -
ミュラー行列機能で高次複屈折測定は可能ですか
現在のところは対応していません。複屈折測定オプションで対応しています。