

製品概要
HINDS社の斜入射複屈折位相差測定装置Exicor®OIAは、光線追跡(レイトレース)機能を持った新しい複屈折測定装置で、 平行平板試料の斜入射測定だけではなく、球面レンズの複屈折測定が可能になりました。 これまではレンズ形状に加工する前の平行平板の歪み分布しか測定ができませんでしたが、Exicor OIAは実際に使用する球面レンズに対して任意入射角度で測定ができます。 また、側面にも測定機を搭載し、断面方向の複屈折分布も測定できます。測定波長は193nm、633nmだけではなく、希望される波長にカスタマイズ可能です。
平行平板、球面レンズの複屈折測定

一般的な複屈折測定装置は、垂直入射による透過測定となりますが、試料の屈折率楕円体の測定には斜入射測定が必須となります。 位相差フィルムのような厚みが無視できる試料では、試料を傾斜して測定しても光軸はほぼ変化しませんが、 ガラス基板の場合は厚みに比例して光軸が変化してしまい測定ができませんでした。
Exicor OIAは、入射角度、試料の厚みを考慮して入射側および検出側の測定機モジュールが移動するため、 厚みのある試料の斜入射複屈折測定が可能です。
また、Exicor OIAは球面レンズの複屈折測定が可能です。 例えば、球面レンズ内における光線角度を一定に保ちながら複屈折を測定することができます。
これは、従来のレンズ試料の複屈折測定とは大きく異なります。なぜなら、従来法ではレンズによる屈折をなくすために屈折率マッチングオイルにレンズを浸すか、 面発光照明部にレンズを置いて測定しています。 そのため、試料内の光線角度ごとの複屈折は測定はできません。
Exicor OIAは、任意の試料内光線角度を設定して測定が可能であり、3次元屈折率分布の評価や、実際に使用する光線角度を考慮した複屈折の評価が可能になります。
断面方向の複屈折測定
斜入射測定だけではなく、断面方向からの測定にも対応します。 試料は立方体形状だけではなく、円柱形状にも対応します。
用途に合わせた装置選択
測定機部は標準のExicorシリーズと同等の高精度複屈折測定に対応しています。 また、ステージサイズも試料サイズに合わせてカスタマイズ可能です。
主な用途
- 半導体製造装置用レンズの歪み評価
- 高解像度が要求されるカメラ用レンズの評価
- ガラス硝材、フォトマスク基板の歪み検査
- 位相差フィルムのリタデーション、主軸方位測定
- 光学結晶の研究
斜入射複屈折測定装置Exicor OIA仕様例
測定波長 | VIS | DUV |
光源 | HeNeレーザー | LDLS光源 重水素光源 |
波長 | 632.8nm | 193nm など |
位相差測定範囲 | 0〜300nm以上 | 0〜90nm以上 |
位相差分解能 | 0.001nm | |
位相差繰返し精度 | ±0.03nm | ±0.08nm |
進相軸分解能 | 0.01度 | |
進相軸繰返し精度 | ±0.5度 |
- 仕様は予告なく変更になる場合があります。
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
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製品に関するご質問・ご相談
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微小なリタデーション(歪み)を測定できますか
HINDS社のExicorシリーズは、特に低リタデーションの測定性能が優れており、わずかなリタデーションの違いを正確に測定する能力を持っています。 -
主軸方位の測定はできますか
リタデーションと同時に主軸方位(進相軸)を高精度に測定します。 -
測定波長の切り換えは可能ですか
レーザー、LED光源等は予め波長を決定します。ランプ光源やLDLS白色光源モデル等は、波長切替が可能です。ご相談ください。 -
どのようなレンズを測定できますか
一般的な球面レンズや平行平板であれば斜入射測定が可能です。 -
どのようにレンズの測定をおこなうのですか
ソフトウェアにレンズのパラメーターを入力し、レンズに対する入射角度を設定します。ソフトウェアに光線追跡機能が内蔵されているので、自動的に測定モジュールが光線位置まで移動して測定します。 -
断面方向からの測定とはどのような測定ですか
厚みのある試料を真横から測定することです。円柱状の試料も測定できます。