ガラス加工
フェムト秒レーザーは透明材料の革新的な加工を可能にします。
フェムト秒レーザーによるドリル加工、切断加工、切削加工によって材料を選択的に除去し、従来の加工技術では作ることができない複雑で精密構造を製造できます。
GHzバーストモードによる高速ドリル加工
フェムト秒レーザー加工は、超短パルス持続時間により材料への熱影響を最小限に抑え、ガラス加工において非常に優れた精度を実現します。
従来の方法と比較して加工速度が遅い点が課題でしたが、GHzバーストモードの登場により実用的な速度での加工が可能となりました。
GHzバーストモードは、高強度フェムト秒パルスをGHz間隔で複数に分割することで、加工速度を向上させる技術です。
ガラスのボトムアップミリング
高アスペクト比の穴あけ加工に対する需要が急速に高まっています。従来のレーザーミリング技術では、アブレーションで発生したデブリが穴の内部に堆積し、高アスペクト比の穴あけ加工が困難でした。ボトムアップミリングは、レーザービームを材料の底部から表面に向かって照射することで加工を行います。加工で発生したデブリは自然落下により除去されるため、ガラスに高アスペクト比の穴を容易に開けることが可能です。
ベッセルビーム・スクライビング
ベッセルビームを用いたスクライビングは、材料の切削損失を最小限に抑えた、極めて効率的なガラス切断加工法です。フェムト秒レーザーで生成したベッセルビームによりガラス内部に微小なボイドを形成し、機械的または熱的な方法で分離することで、非常に滑らかな切断面を実現します。1回のレーザー照射で加工が完了するため、高速加工が可能です。
薄板ガラスの切断
0.5 mm以下の薄板ガラスは非常に脆く、わずかな熱でも割れてしまうため、従来の切断加工では高品質な加工が難しく困難でした。
フェムト秒レーザー加工は、材料への熱影響を最小限に抑えることができるため、薄板ガラスでも容易に、かつ高精度に加工できます。
フェムト秒レーザー誘起選択的化学エッチング
高強度フェムト秒レーザーを照射することで、材料の分子構造を変化させ、化学的性質を改質することが可能です。レーザー照射により改質された部分を化学エッチングで選択的に除去できます。
この2段階の加工技術によってガラスなどの透明材料に、テーパーのない、表面粗さが数百ナノメートルレベルの微細構造を作製できます。さらに、ウェーハレベルの大面積加工にも対応可能です。
ガラス貫通電極(TGV)の製造
半導体分野をはじめ、様々な分野において、ガラス基板への高アスペクト比の穴あけ加工の需要が高まっています。フェムト秒レーザーを用いることで、欠けやひび割れがなく、内壁が滑らかで高品質な穴を形成できます。ガラス基板に、低テーパーかつ高アスペクト比の貫通穴(TGV)を形成することが可能です。
ガラス貫通電極(TGV)の製造

高アスペクト比(>80 : 1)微細貫通穴加工ガラス(TGV)の製造
半導体分野をはじめ、様々な分野において、ガラス基板への高アスペクト比の穴あけ加工の需要が高まっています。フェムト秒レーザー加工は、高品質な加工を実現する上で欠かせない技術となっています。
GHzバーストモードによる高アスペクト比穴あけ加工
強力なGHzバーストモードを持つFemtoLux 30は、パーカッション・ドリリングによりガラス基板に高アスペクト比の貫通穴(TGV)を形成します。
GHzバーストモードを使って1の高強度フェムト秒パルスを50パルスに分割することで、アスペクト比80以上を実現します。また、バーストモードの設定を最適化すると0.1 μmの精度で穴の深さを制御することが可能です。本技術は、AN100、BK7、BF33、D263、EXG、ソーダ石灰など、様々なガラス材料に適用可能です。
MHz+GHzバーストモードとボトムアップミリングの併用
MHz+GHzバーストモードとボトムアップミリング技術を組み合わせることで、更に高精度で高効率加工が可能です。ボトムアップミリング技術によるゼロテーパー構造の形成とMHz+GHzバーストモードによるスループット向上により、BF33およびD263ガラスに直径200 μmの穴のマトリックス形成を実現しました。

GHzバースによる
EXGガラスへの高アスペクト比貫通穴加工
Akoneer社提供

GHzバーストによる
ソーダ石灰ガラスへの
高アスペクト比貫通穴加工 Akoneer社提供

SCHOTT BF33/D263ガラスの200 µm穴の
ボトムアップミリング
FTMC提供
GHzバーストモードによる高速ドリル加工
フェムト秒レーザーによるガラス加工の新境地:GHzバースト
フェムト秒レーザーは、その極めて短いパルス持続時間により、ガラスに高品質な加工を施すことができます。しかし、従来の方法と比較して加工速度が遅く、幅広い用途への応用が課題となっていました。
GHzバーストは、この課題を克服する革新的な技術です。高強度フェムト秒パルスを複数のパルスに分割することで、加工速度を飛躍的に向上させます。
従来の高繰り返しフェムト秒レーザーでは、材料へのダメージを抑えるためにパルス強度を下げたり、繰り返し周波数を低くする必要がありました。GHzバースト技術は、2 GHzという高いバースト内繰り返し周波数と最大70パルスの分割照射により、単一パルスモードと比較して最大7倍の加工速度を実現します。しかも、材料へのダメージを抑え、高品質な加工を維持できます。
GHzバーストの利点
・高品質な加工 : フェムト秒レーザーの特徴である高精度加工を維持
・高スループット : 従来比最大7倍の加工速度を実現
・欠陥の抑制 : 材料へのダメージを抑え、欠陥の発生を抑制

UVFSミリング
FTMC提供

サファイア ミリング
FTMC提供

ソーダライム ミリング
FTMC提供

溶融石英ミリング
FTMC提供
ガラスのボトムアップミリング
ボトムアップミリングとGHzバーストによる革新的ガラス加工

高アスペクト比・高スループットを実現するボトムアップミリング
従来のレーザーミリングでは、加工中にアブレーションそた材料の破片が穴の内部に蓄積してしまうため高アスペクト比の穴を加工することが困難でした。
ボトムアップミリングは、レーザービームをサンプル底部に集束することでアブレーションした材料をサンプルの裏側から除去されるため、高アスペクト比の穴を形成可能です。
FemtoLux 30 GHzバーストによる高速・高精度加工
FemtoLux 30のGHzバースト機能とボトムアップミリングを組み合わせることで、更なる進化を遂げました。
・高スループット : バーストエネルギーとパルス数の精密制御により、600 mm3/minの加工速度を実現
・ゼロテーパー : 数十ミリメートルの深さでもテーパーのない穴やチャネルを形成
・高精度 : レーザー誘起材料破壊により、ガラス粒子を効率的に除去し、高精度な加工を実現
GHzバーストとボトムアップミリングのシナジー効果
GHzバーストは、ガラス基板への熱応力を正確に制御できるため、適切な条件下では熱応力でガラスを意図的に破断させたり、ガラスの粒子を効率的に除去することが可能です。
GHzバーストは、高アスペクト比・高スループット・高精度の加工を可能にし、ガラス加工の新たな可能性を広げます。

SCHOTT BF33/D263ガラスの
200 µm穴のボトムアップ加工
FTMC提供

溶融シリカガラスの
ボトムアップミリング
FTMC提供

溶融シリカガラスの
ボトムアップミリング
FTMC提供

溶融シリカガラスの
ボトムアップミリング
FTMC提供
ベッセルビームスクライビング
ベッセルビームスクライビングによる高効率・高品質ガラス加工

ベッセルビームスクライビング:ガラスの無欠陥スクライビングを実現する最先端技術
ベッセルビームを使ったスクライビングは、レーザーを用いたガラススクライビングにおいて、最も効率的で無駄のない手法です。材料内部にボイドを生成し、機械的もしくは熱的に分離することで、滑らかな側壁粗さと高いスクライビング速度を実現します。
FemtoLux 30 MHzバーストモードによる高速・高品質スクライビング
FemtoLux 30をMHzバーストモードで動作させ、ベッセルビームと組み合わせることで、1 〜 4.8 mm厚のソーダライムガラスのスクライビングに優れた効果を発揮できます。この手法により、表面でのチッピングを最小限に抑え、高品質なスクライビングを実現します。
・4.8 mm厚ガラス : 80 mm/sのスクライビング速度を達成し、側壁粗さは0.5 µm以下と非常に滑らかです
・サファイア : 300 mm/sのスクライビング速度を達成し、滑らかな側壁を実現します
FemtoLux 30 & ベッセルビーム:高速・高品質スクライビングの新たなスタンダード
FemtoLux 30とベッセルビームの組み合わせは、ガラススクライビングの効率と品質を新たなレベルに引き上げます。

1 mmのソーダ石灰側壁
FTMC提供

ステルスダイシング後の
サファイア側壁
FTMC提供

ステルスダイシング後の
サファイア側壁
薄いガラスの切断

0.5 mm以下の薄板ガラス加工における課題
0.5 mm以下の薄板ガラスは非常に割れやすく、熱応力でクラックが発生するため加工が困難です。
FemtoLux 30:熱影響を抑えた高品質の加工
フェムト秒レーザーは、超短パルス時間幅が短いため熱の発生を最小限に抑えることができ、薄板ガラスの加工に最適です。FemtoLux 30は、その優れた柔軟性により、様々なガラス種に対応する最適な加工パラメータを選択できます。
FemtoLux 30が実現する高品質加工
フェムト秒レーザーは、超短パルス時間幅が短いため熱の発生を最小限に抑えることができ、薄板ガラスの加工に最適です。FemtoLux 30は、その優れた柔軟性により、様々なガラス種に対応する最適な加工パラメータを選択できます。
・チッピングの抑制 : 最小限のチッピングで高品質な加工を実現
・クラックフリー : 熱の影響を抑えることで、クラックの発生を抑制
FemtoLux 30:薄板ガラス加工の新たなソリューション
FemtoLux 30は、高精度・高品質な薄板ガラス加工を実現する、最先端のフェムト秒レーザーです。

ホウケイ酸ガラスに開けられた
300μmの穴の走査型電子顕微鏡写真
FTMC提供

溶融シリカミリング
FTMC提供

薄いカバーのスリップ穴加工
提供:Laser Micromachining Ltd.

薄い溶融シリカの切断
FTMC提
フェムト秒レーザー誘起選択的化学エッチング
フェムト秒レーザー誘起選択的化学エッチングによる高精度3D微細加工
フェムト秒レーザー誘起選択的化学エッチング:高強度フェムト秒レーザーを照射することで、材料の分子構造を変化させ、化学的性質を改質することが可能です。レーザー照射により改質された部分を化学エッチングで選択的に除去できます。この2段階の加工技術によってガラスなどの透明材料に、テーパーのない、表面粗さが数百ナノメートルレベルの微細構造を作製できます。さらに、ウェーハレベルの大面積加工にも対応可能です。
FemtoLuxシリーズ : フェムト秒レーザー誘起選択的化学エッチングに最適なFemtoLuxシリーズレーザーは、例えば、溶融シリカからアーム幅20 µmの可動式の切り替えスイッチを製造することに成功しました。さらに、溶融シリカガラス基板に、様々な直径のゼロテーパー貫通ビアを形成しました。これらのサンプルは、フェムト秒レーザー誘起選択的エッチング技術の柔軟性とマイクロメカニクスから半導体分野までの幅広い応用可能性を示しています。