複屈折の波長依存性測定
分光ポラリメーターPoxi-spectra™に光学ヘッドや光源、専用ソフトウェアを追加することで、複屈折の波長依存性を測定できるようになるオプションです。標準で波長400~800nm (拡張900nm)における各波長のリタデーションと主軸方位を高精度に測定します。1nm程度の低リタデーション試料から、最大10万nmの非常に大きなリタデーションの測定を本装置1台で測定できます。
また、本装置はストークスポラリメーターがベースになっており、試料透過光や反射光などの偏光測定(ストークスベクトル測定)もできます。さらに、旋光性や2色性、偏光解消などの複屈折以外の偏光特性を測定するミュラー行列測定オプションも追加できます。なお、可視光範囲以外の測定は別途お問合せください。
測定例
位相差フィルム
一般的な位相差フィルムを測定。本装置は各波長においてλ/2nmまで測定できます。表示単位はnmだけではなく、度やラジアンも選択できます。このフィルムの場合、波長633nmにおいてλ/4波長板として機能することが分かります。
高次複屈折サンプル
大きな複屈折も持つフィルムを測定。本装置はλ/2nmまでのリタデーションが測定できますが、これ以上の値の場合はフィッィング機能を利用して実際のリタデーションを算出します。図の上段は測定した元のリタデーションで、下段はフィッティング解析後のリタデーションです。波長550nmにおいて8447nmのリタデーションであることがわかります。
厚み方向複屈折Rth、Nz係数
正面および斜入射による複屈折測定結果を元に、厚み方向位相差RthやNz係数を求めることができます。また、各波長の平均屈折率が分かれば、波長ごとのRthを求めるも可能です。(図のデータはどの波長でも平均屈折率一定として計算しています。)
測定例 マッピング測定
自動XYステージを追加することで、マッピング測定が可能です。図はCDケースのリタデーションを色、進相軸をベクトルで表示した結果です。
主な用途
- 液晶ディスプレイ用位相差フィルムの評価
- 波長板の検査
分光ストークスポラリメーターPoxi-spectra複屈折オプション仕様
特長 | Poxiシステムで分光高次複屈折測定が可能 |
測定項目 | 位相差 主軸方位 (進相軸または遅相軸表示) |
最短測定時間 | 20秒 (露光時間・アベレージ回数に依存) |
位相差繰り返し精度 | 1度以下 |
主軸方位繰り返し精度 | 1度以下 |
高次複屈折解析 | フィッティングによる解析。 予想最大位相差 100000nm 主軸方位の再計算機能 |
装置構成 | ハロゲンランプ光源 入射側光学ヘッド 複屈折測定・計算ソフトウェア |
更新日 | 更新内容 | サイズ | ダウンロード |
---|
製品に関するご質問・ご相談
-
必要な構成部品は何ですか
分光ポラリメーターの基本セットと、複屈折オプション (追加ハードウェアとソフトウェア)が必要です。 -
後から複屈折オプションを追加できますか
可能です。一度弊社まで分光ポラリメーターを返却頂き、必要な機能を追加した上で納品します。 -
どのような測定原理を採用していますか
2種類の偏光をサンプルに入射し、それぞれの透過光のストークスベクトルを元にリタデーションと主軸方位を算出します。また、λ/2nmを超える場合、簡単なフィッティング機能を使用して算出します。 -
測定精度はどの程度ですか
仕様上、リタデーション精度は1度としています。(波長400nmで1.1nm、波長800nmで2.2nmです。)
繰り返し精度は0.5度以下です。 (アベレージ回数を指定した場合)
方位精度も1度です。 (ただし、リタデーションの大きさに依存します。)
-
リタデーションの正確さはどの程度ですか
国際標準となる試料がないため正確な値は答えられませんが、リタデーションを可変できる素子を使用して、測定値のリニアリティを出荷前に測定しています。 -
ミュラー行列測定オプションと併用可能ですか
可能です。